株式会社ひかり塗装 代表取締役 小渕様
家具やインテリアの塗装を中心とした事業を展開する「株式会社ひかり塗装」。近年、女性の社員が増加したことで、より働きやすい組織作りに取り組んでいましたが、なかなかうまく取り組むことができなかったそうです。そこで代表の小渕様は、健全な組織作りを行うために内田さんにご依頼をされたそうです。
※内田さんとはHUGRES代表である内田氏のこと。
職人を志す女性が増えたことで、組織に変革の必要性が

Q:小渕様は内田さんをどのような経緯でお知りになったのでしょうか?
商工会議所の繋がりで知りました。職人希望の女性が多く入社したタイミングで、男性が圧倒的に多い職人の業界で性別関係なく働ける優しい職場に変えていきたいと思っておりました。周りにはこのような組織作りの問題を相談できる相手もいなかったので、商工会議所の方に相談したら内田さんを紹介していただきました。
Q:御社は職人が中心の企業ですから、どうしても男性が多くなりがちですよね。
今までも女性社員は常に数人在籍していたのですが、一昨年はこの世には男性がいないのではないかと思わせるぐらい、女性の応募が続き短期間の間に女性社員が一気に増えました。
「職人=男性」という考え方は古く、価値観をアップデートしなければいけないのは企業側であることは間違いないと感じていました。しかしどのように変えていくべきか全然わかりませんでした。時代や価値観のスピーディーな変化に、社員が全然対応できていないのも課題だと感じていました。そんな中で、内田さんは第三者の立場に立ち、客観的な目線でアドバイスをしてくれたため、自分たちの現状を見つめ直す良いきっかけになりました。今では自分たちだけで解決しようとせず、相談してよかったと感じています。
Q:社会人研修のような形で支援していただいた形ですか?
研修というより「顧問」「専属の相談相手」というイメージです。一昨年一気に女性社員が増えたタイミングもあって、社員の相談窓口のような形で関わっていただきました。周りに相談しづらい悩みは、社内の人よりも社外の人の方が話しやすいだろうという考えです。現在でも、社員全員と面談をしてもらっています。
外部の人に本音を打ち明けることで、風通しの良い組織作りにつながった
Q:支援を受けた後、社員さんにはどのような変化がありましたか?
大前提として、社員と内田さんの会話内容は私には伝わらないようになっています。ですので、社員は自分の正直な気持ちを話しやすかったのではないかなと思います。そして内田さんとの面談をきっかけに、話す機会ができて前に進むことができた、という事もありました。内田さんは、私と社員の橋渡し役になっているとも感じられます。
Q:相談の日はあらかじめ決まっているんですか?それとも各々のタイミングで相談しているんですか?
相談の日は決まっていません。「何かあったらいつでも連絡してください」とおっしゃっていただいております。全員が内田さんと連絡先を交換しているので、いつでも相談できる状態になっています。
Q:小渕様自身は、内田さんに話したことで何か変化はありましたか?
いろいろな話をさせていただいたのですが、一番大きな変化は定例の社内ミーティングが開かれるようになったことです。今までは社員全員に会社で取り組んでいる事や方向性、イベントの報告などを『ひかりだより』として月に一度配布するのみでした。もっとコミュニケーションを取った方が良いとの内田さんからの提案で月に一度のペースで集まる機会ができました。話をすることで、社員との関わり方も変わってきたかなと思います。
そして内田さんの良い所は、昔からある習慣や当たり前すぎて不思議にも思っていなかった事を気づかせてもらったり、他社さんの事例をあげつつ弊社にあったアドバイスをいただいたりします。それはこうした方が良いとか決めつけるものではなく、私たちに選択肢を与えてくれるところです。アドバイスをいただきつつも、最終的に何を選ぶのかは私たち自身なのですが、今までもいくつかのハードルを一緒に乗り超えてきた信頼が、内田さんにはあります。
Q:共有しづらい悩みを気軽に話せることは心強そうですね。
弊社は職人が多い会社なので、思ったことをズバッと言ってしまうタイプが多いんです。そのため内田さんには、悩みを共有させてもらうよりも、本音を言った後のフォローをお願いすることが多かったです。おそらく私が見えないところで解決した問題もたくさんあると思います。もし内田さんがいなかったら、私では抱えきれないほどの問題が未解決のままだったと思います。
Q:職人を目指す女性は増えてきているんでしょうか?
増えてきているイメージがあります。

弊社の仕事は、いわゆる足場を立てて建築の高いところを塗装するといった仕事ではなく、高級アパレルの内装や、高級住宅の注文家具など、見栄えを重視する塗装が多く、繊細さとセンスが求められます。そのような意味では女性でも従事しやすい仕事だと思います。むしろ女性の方が優れている場合が多いかもしれません。弊社は昔から女性が在籍しているので、比較的入社しやすい環境だと思います。
Q:職人には、一人で作業に没頭して仕事を進めるイメージがあります。
一人で没頭するタイプの人は確かに多いですが、現場や工場での作業は一人では出来ない作業も多いです。また、コロナ禍でリモートワークが主流になった会社も多いと聞きますが、弊社のような職人の会社は現場や工場に行かないと絶対に仕事にならない上に、お客様の意図を汲んで仕事をしなくてはならないのでけして一人で出来る仕事ではありません。
職人の組織でありつつ、多様な価値観を受容できる会社を目指したい
Q:内田さんはキャリア面談のようなものも実施しているんですか?
内田さんに入ってもらってまだ1年で、ようやく会社や社員のことを知ってもらえたかなという段階です。今後もより一層社員のフォローをしていただきたいと思っておりますので、キャリア面談なども随時お願いしたいと考えております。
また、去年は8名の社員に新人研修も行っていただきました。今年は新卒が1名だったので、1on1で新人研修を行っておりました。新卒の方は、「社会人とは何か?」という点からしっかりと教えていく必要があると思うのですが、弊社は人材の教育が苦手で、その点を内田さんにフォローしていただけたのは心強かったですね。また、内田さんは相手に合わせてオーダーメイドの研修を組んでいただけたので、その点も好評でした。
Q:これからどのように社員と関わっていくのがベストだと考えていますか?
多様性という言葉がよく使われる現代ですが、私自身も本当にいろいろな人がいるなと実感しております。なんでも話してくれる人もいれば、内側に溜め込んで閉じこもってしまう人もいます。まさに十人十色だなと。同じ対応策だけで全てに対応できることはないでしょう。そのため、「こうあるべき」といった固定観念は捨てて、さまざまなシチュエーションに対応できるような会社にしていければと考えております。 今の時代と私の時代では、働き方が全く違います。私の若い時は「長時間働くのは偉い、働き者」なんていう価値観がありましたが、そんなの今では通用いたしません。そんなことを言っていたら誰もそんな会社には入ってくれないでしょう。放っておいても人がやってくる人気の業界であればそれでも良いのかもしれませんが、弊社のようなマイナーで、3Kといわれる業種ではますます寄り付いてきません。そんな時代ですから、ひかり塗装はいろいろな考えを持った人を受け入れられる会社を、一人ひとりの個性が生かされる会社を目指しております。
ひかり塗装株式会社
企業ホームページ:https://www.hikaritoso.com/
お問い合わせ:https://www.hikaritoso.com/captmail-cgi