タイムマネジメントは時間管理ではない
そもそもタイムマネジメントとはどういったものなのでしょう?
直訳すれば「時間管理」ということになりますが、単純に時間管理ということであれば誰もが日常のなかで行っているはずです。仕事には必ず納期があり、それを守るために動いているからです。では、時間管理とタイムマネジメントはどういった違いがあるのでしょう?
時間管理とは、いわゆるスケジュール管理です。たとえば、ある仕事の納期が10日後である場合、それに合わせるためにメンバーを選択し、それぞれがやるべきことを分担、割り振りをします。後は予定通りに業務が進んでいるかどうかの進捗状況を確認するのがスケジュール管理であり、時間管理です。
これに対しタイムマネジメントは、限られた時間のなかでどれだけ生産性を上げられるかを管理するものです。時間管理の場合、今あるメンバーのスキルを前提にスケジューリングを行います。そのため現状以上に生産性を上げることは難しくなり、それを実現させるにはどこかに負担が生じることになります。
しかしタイムマネジメントは、より高い生産性を実現するためにはどうすればよいかを考え、社員のモチベーションを上げながら生産性も高めていくことを目的とした管理方法です。
これにより、社員に余計な負担をかけずに業務の効率化を進めることが可能となり、結果として長時間労働の是正にもつながります。
基本は報連相
時間管理とタイムマネジメントのもう一つの大きな違い。それは時間管理が業務のリーダーとなる者が行うのに対し、タイムマネジメントはリーダーはもちろん、社員一人一人が取り組むべきことでもある点です。
時間は誰にとっても平等です。しかし、無限ではありません。また業務が複雑になればなるほど、リーダーひとりだけですべてを管理するのは難しくなります。そこで、社員一人一人が限られた時間を、どのように有効に使うかを考えて行動することが重要です。そこでポイントとなるのが報告・相談・連絡のいわゆる報連相です。
会社での業務は、個人ではなくチームで行うことが基本となるため、個人でのタイムマネジメントはもちろん重要ですが、それをチーム間で共有することはより重要です。そしてそれを実現させるには、報連相をしっかりと行い、常に業務の問題点、解決方法をチーム間で共有させます。これは社員からだけではなく、リーダー側からも常にコミュニケーションを取り、互いに情報を把握することでより効果は大きくなります。
スキルとストレスと生産性の関係
タイムマネジメントはなぜ、リーダーだけではなく社員一人一人が自覚と責任を持って行わなければならないのでしょうか?
その最大の理由は、社員側の自覚がなければいつまでたってもスキルが上がらないうえ、ストレスがたまり、かえって生産性が落ちてしまう可能性が高いからです。
リーダーは生産性と効率だけを考え時短を押し付けるだけ、社員側は与えられたものをこなすだけでスキルが上がらず、不可能に近いスケジュールでストレスがたまっていく。これでは業務効率化も長時間労働の是正も実現することはできません。
本来、スキルアップをすれば業務時間は自然と短縮され生産性も高まっていきます。スキルアップをせずに時短を実現しようとすれば、質も量も低下し、さらにリーダーに対する不満だけが高まってしまうことになりかねません。
報連相によりリーダー、社員それぞれの現状を把握する。そのうえで双方が生産性をアップさせるにはどうするべきかを主体的に考えることが重要です。そして、そのためには社員一人一人がスキルアップすることが必要不可欠であり、リーダーもそれを支援することで結果として生産性が上がることになります。
自律できる仕組みをつくる
最後にタイムマネジメントを成功させるためのポイントですが、社員がやらされていると感じないよう、自律できる仕組みをつくることです。
そのためには、リーダーがスケジュール管理で社員をガチガチにしばらないことが重要です。仕事では想定外のことが起きる可能性もあります。そのため、予定には余裕を持たせることが大切です。
期限だけを共有し、後は各自の判断に任せ、報連相だけはしっかりと行うようにすれば、自ずと社員は自覚と責任を持ち、タイムマネジメントを行うようになります。
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HUGRES 内田ひとみ
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